相続手続きに失敗

札幌市 Aさん 母親からの相続

インターネットなどで調べて相続を始めましたが、後々損をしてしまった

家族構成は、父親はすでに亡くなっていて母親の相続です。相続人はAさんです。相続財産は実家である土地・家の不動産が1,800万円・200万円、現預金が1,000万円でした。
Aさんは母親が亡くなった後、相続についてインターネットで検索をしたり、ユーチューブ動画で検索したり、自分なりに調べて断片的な知識で相続を始めました。相続人が一人であるので基礎控除が3,600万円あるので、3,000万円が相続財産の場合相続税がかからないことを確認し、不動産の相続登記を行い、実家の売却の契約を行いました。3カ月後の引き渡しのために実家の片付けをしているとAさん名義の預金通帳が見つかりました。母親がAさんのためにコツコツと貯めておいてくれたものです。通帳には2,000万円ありました。その時初めて税理士に相談をしました。税理士によると母親がAさんの名義で貯めてくれた預金は、名義がAさんであっても母親の財産であり、現在わかっている相続財産に加えなければならないと教えてくれました。Aさんは自分名義の預金通帳なのに、母親の相続財産に加えることについて非常に驚いていました。これは名義預金と言って、子供名義、孫名義の口座を作りそこにお金を貯めていくもので、よくある話です。しかし、贈与契約がなされていないお金は母親の財産なのです。基本的には贈与税は相続税より高い税率なので多くの税金を払う必要があります。生前に贈与を行うのであれば、一度に大きなお金を贈与するのではなく、計画的に贈与することで節税することが出来ます。
この名義預金を合わせた5,000万円が相続財産となります。基礎控除が3,600万円ですので、1,400万円に対して相続税が課税されます。この場合の相続税は160万円です。Aさんは実家の土地に小規模宅地の特例が使えるのではないかと考えました。これが使えると実家の土地の1,800万円が360万円の評価になります。そうすると相続財産が3,560万円となり、基礎控除内に収まり相続税がゼロになります。確かに小規模宅地の特例が使えるはずでした。
しかし、Aさんがこの特例を使うためには、相続税の申告期限まで不動産を所有している必要がありました。すでに売買契約を済ませており要件を満たすことが出来ません。ですから一度売買契約を解約して、小規模宅地の特例を適用してから売却することを考えましたが、違約金を売買代金2,500万円の20%500万円を支払う必要があります。小規模宅地の特例を使うことで相続税はゼロになりますが、500万円の違約金を払うことになります。結論としては小規模宅地の特例適用せずに、相続税を支払った方が良いことになります。また後に検証すると不動産売却を急いたあまり相場では3,000万円ということもわかりました。不動産を売却する際には相続税の納税期限(相続発生から10ヶ月)までにしなければならない、プロではないので相場観がないなどの理由で、本来売却できる金額より低い価格で契約していることがあります。
小規模宅地の特例で相続税160万円をゼロにすることが出来、相場で売却できれば500万円のプラス財産を手にすることが出来たのにとかなりがっかりされていました。
インターネット、ユーチューブでは様々な情報があふれています。しかし、断片的な知識で行動を起こしてしまうとこの様なことが起きてしまいます。また、不動産の売却のために不動産業者に相続の相談をしたそうですが、そこに聞くこと自体が間違いのようです。相続の専門家に相談するとお金がかかるから、なるべく自分で調べて手続きを進めようと思ったそうですが、断片的な知識で動いてしまうとこの様なことが起こります。ご自分で進めるケースや相談相手を間違えているケースで、余計な税金や費用を支払って、結局手残りの資産を目減りさせているケースは大変多いです。相続は事前の準備や相続発生後の進め方により結果が大きく変わってきます。相続対策コンサルタントに適切な費用を払い、責任をもって相続対策を進めてもらうことをお勧めします。


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